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老母と二人、実家で暮らし始めて3年になる。
古い日本家屋の家はいわゆる実家テイストであふれていて
妙にモノが多く、部屋や台所の四隅が脈略なく雑然としている。
なんでここにこれがあるのよと時折ブツブツ文句を言いはするけれど、
実は内心、どこかで実家的安心感を感じていることも確かなのだった。

そういう実家の玄関の一角に日暦を置いている。
新潟漆器の丸山商店ご親族から譲り受けた漆の二重棚を置いて
その上にシンプルに日暦を置いていたのだが、
はたと気がついたらいつの間にかランチョンマットが敷物にされ、
私が持ち込んだあれこれが母の手によって脈略なくポンポンと飾られていた。

ううう。実家だ。

日暦を見て「これはなんだ?」と最初は訝っていた母だが、
いまやせっせと毎日めくっている。そして、
「今日クリーニング屋さんが日暦を見てね、『これは何ですか?』と聞いてきたんだよ」
「回覧板を持ってきたお隣の人から、『素敵ねえ』って褒められた」
「八百屋さんが配達に来て・・・(以下略)」
訪ねてきた人たちの反応をいちいち私に報告する。

実家の玄関_e0138627_13042422.jpg


玄関を開けた正面に置いてあるので、
ちょっとしたアイストップになっているのだろう。
嬉しそうな母を見て、喉元まで出かかった小言を呑み込んだ。
娘、まだまだ修行が足りねえな。

おしゃれとは程遠い環境ながら、
うちの日暦は愛されております。

(U)

同居人とふたり暮らしですが、会うのは夜と朝の一瞬という日がほとんど。
そのふたりが、ほぼ毎朝行く場所に、
日暦を置いています。

日付が変わっていると、なんとなく安堵し、まれに前日の日付になったままだと、忙しいのかも…と感じたり。

朝の風景_e0138627_08591562.jpg

見ていて見えないもうひとりを感じる場所になっています。



(O)