カテゴリ:みるものとよいところ( 206 )

昨年春、砂丘館で開催した塩崎貞夫展。
会期中に上越の個人美術館の杉田館長ご夫妻に連絡したのは、陶芸家・斎藤三郎と画家・倉石隆の二人の作品だけを展示するその美術館の空気と、塩崎さんの絵が、どこかで通じ合うように感じたからだった。ことに倉石隆の人間像と塩崎のそれは、何か大きいものに圧されながら支えられているようなほっそりした肢体の感じに共通点があり、だからこそ際立つ興味深い違いもあるようにも思え、展示を見ていただきたいと思った。
会期後半に新潟へ来てくださったおふたりは、本当にゆっくり絵を見てくださり、心から興味を示された。
美術館にはこれまで、斎藤と倉石の作品以外は展示したことがないが、塩崎さんの絵を少し飾ってみてもいいではないですかーーと呟くように言われたのが、この春、現実になった。

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サブタイトルの「桜のレクイエム」は杉田玄館長の命名。
折しも美術館を囲む庭では山桜が満開だった。桜の木とその下に眠る女人を繰り返し描いた塩崎さんは、若き日に耳にしたフォーレのレクイエムを生涯愛したが、その曲には杉田館長も思い出があるという。
上越市の建築家大橋秀三設計の美術館は、こじんまりとして、微細な変化に富んだ美しい建物で、エントランスに続いて曲面の壁の絵画展示コーナーがあり、奥に広い陶芸展示室がある。
 斎藤三郎の今回は染付の陶器を展示した部屋の壁に、塩崎貞夫の油彩10点が飾られた。
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衣装が人を変えるように、場所は絵を変えてしまう。

その魔法を、今回ほどビビッドに感じた経験はない。建築の力、そしてガラスケースに展示された豊かな幸福感をたたえた陶器の力が、ふしぎな光となって、塩崎の絵を照らし、絵もまたその光に新しい響きを加えて場所を変容させた。

砂丘館で見た同じ絵が、同じ絵なのに違って見える。

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絵は美術館の一角の喫茶室にも飾られた。
SPレコードの家具のようなプレーヤーとコスモスの絵が、まるで古い知り合いのように馴染んでいる。庭から掘り下げたレベルに床のあるこの空間から、小動物の視線で開ける庭には桜の他にチューリップも鮮やかな色彩を点じ、まだ浅い春の歌を歌っていた。連休にはこの間隠れに見える田んぼが湖になるらしい。
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建物や庭とともに、寡黙な塩崎さんの絵も、静かに歌い出した。

(大)

*桜のレクイエム 塩崎貞夫展
樹下美術館 上越市頚城区城之腰451
10:00〜17:00
水曜休館(ただし祝日は開館)




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新潟絵屋は、絵のある空間の提案をしています。
モニターをお引き受けいただいている、みるく歯科クリニック(新潟市東区)さんで、絵を掛け替えてきました。
2018年1月〜
西村繁雄「市松くん犬に乗る」
(版画)
新しい一年が戌年であることから犬の絵を掛けました。
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2018年4月21日〜
アンティエ・グメルス
抽象画シリーズ「Dance of the Elements」
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もうひとつ、アンティエさんの別なシリーズを掛けました。
「黄金山の日記から」
(墨絵)
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作業中に郵便屋さんが配達に来られました。
待合室で過ごすひと、そこで働くひと、そこを訪ねたひと、さまざまな立場のひとが、その場所でより心地よく過ごされますように。
絵の作用は、見えたひとにしか届かないかもしれませんが、あると格段にうれしいもの。
お試しください。
(I)

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三方舎書斎ギャラリーで、「井田英夫 巡回支援展」がはじまり、絵屋に巡回し、井田さんが20数年間に手掛けた99点の作品を2会場で頒布することができました。
この機会に、これまでと今回でコレクションされた井田英夫作品のその後のようすを見せていただいています。
呉で療養中の井田さんにも見てもらえたらと思い、ここにすこしずつアップしていきます。
(I)

新潟市
Nさま宅
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春に毎年飾るそうです。
今年も飾ったと画像でお知らせいただきました。
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「3つの植物」
久留米に滞在していた頃の作品です。
井田さんは、絵に集中できる場所を求めて、いくつかの土地を転々としてきました。
現在はそれが広島県呉市音戸町なのです。
この絵のなかには、じつにさまざまな緑色がありました。
額を作る際、Nさまは絵のなかの緑色からバックの布地を選ばれました。

加茂市
S.Hさま宅
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左「音の鳴る実」
右「音戸の瀬戸を眺めるおじいさんのいる風景」
どちらも2017年、音戸で描いた作品でした。
右の作品は、句集「猫」(田代草猫)の表紙絵になっています。

新潟市
I宅
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2012年、三方舎書斎ギャラリーさんでの個展で発表された作品。
実は、私の家の子ども部屋の写真です。
井田さんは、チラシやポスターなどの裏紙や段ボールなどに描くことがあります。
数年前、一緒に越後線で冒頭のNさま宅をお訪ねした日に、同行した子どもたちを、向かい側に座って描いた一枚です。

今回、巡回支援展で発表している新作のいくつかは、療養中の病院で描いたものです。
裏紙は透けて見えるのがお気に入り要素のひとつ。
最新の自画像のまわりには、食事についての連絡事項が鏡文字で書かれていました。

新潟市
Cさま宅
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句集「猫」の挿絵原画をお求めいただきました。
絵と仲良しの猫さんです。

新潟市
Kさま宅
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「窓辺の洗剤たち」2013
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「松山行きのフェリー横切る」2017
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「6月の暑い午後」2013-14

お家と職場にも、飾ってくださってます。
新潟市秋葉区の薬局で。
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「弥彦山」2013

新潟市
Iさま宅
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2017年の個展で発表した広島で描いた作品。
Iさまより「井田さんのビーチに憩う」というタイトルで、写真を送っていただきました。

新潟市
Iさま宅
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巡回支援展出品作品のひとつ。
猫さんと暮らすお家に、猫さんも描かれた自画像がもらわれていきました。
「お母さんも、可愛げな猫らと、ローレライ(絵のなかの猫)を眺めたりしてます」
と近況を知らせていただきました。

つづく



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studio monのアクセサリー展示に合わせ、「絵本」をたのしむイベントを企画しました。
今回は「飾る」をテーマに絵本を選んでいただき、当日、参加者の顔触れからその構成をお考えいただきました。
はじまりに、お話のろうそくに火が灯りました。
読む人:豊島京子さん
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読んだ絵本の集合写真
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上段左から右、次いで下段左から右の順。
ぞうのお話からはじまり、ねずみのお話まで、物語の世界にお出掛けし、春を味わい帰ってきました。
最後に、参加者のひとりがろうそくを吹き消し、絵屋は開店の時間を迎えました。
(I)


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二月某日、
立体作品をお探しとご相談がありました。
最終的にご興味を持たれたのが、過去の展覧会の出品作品
このたび、晴れてお納めすることになりました。

家になにかを飾りたいというタイミングがありましたら、ぜひご相談ください。
飾る場所やお客様のお好み、ご予算などに応じて、お探しいたします。
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上・「神鹿と木」のなかのようす
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作品を設置した空間に雪見障子があり、家の中の木と鹿に日がさします。
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別な空間には、荻間久美「森に住む花」と万年カレンダー日暦
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この日は2月22日でした。
篆刻で月、書で日にちを示す日めくりカレンダーです。
毎日の暮らしの中に、その日を表す日付を飾ります。

上の写真の漆絵は渡辺信二さん。
下の居間の一角の写真にも渡辺信二さんの作品が。
古い木造家屋の美しさを最大限に生かし再生したお宅でした。
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ちらりと写っている一人掛けソファはNOB CRAFT Homemade Furniture。
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組子細工の建具がすてきな居間の一角。
絵は高橋信一さんの佐渡の伝統芸能の頭を描いた版画。
家をたのしんでおられるお宅でした。(I)




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ちいさなお子さんと暮らす、四人家族のTさん宅の居間。
絵・藤原祥
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家が完成した頃のようす
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絵屋で展示した時の絵のようす
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家に絵をお納めし、絵が家でときを刻みはじまりました。
絵は暮らすひとの毎日の背景で、家族に共通の、いつもの風景をつくります。
(I)

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新しい一年がはじまりました。
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2017年の暮れは、日暦の臨時受け渡しのための臨時営業をしたり、納品に行ったり、NOB CRAFTアトリエ(亀田にあります)で日暦の仕上げ作業を行なったりしていました。
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臨時受け渡し所
通りすがりの方も立ち寄ってくださいました。
背景の「森」も華雪さんの書。
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日暦受け渡し所は、12/21.22.26.27の4日間限定でした。
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クロワッサンの店さまへ納品後のようすを見に伺うと、日暦の台座と同じ、スノービーチ材を使用した犬の置物と一緒にご紹介いただいていました。
そして、店に飾るしめ縄飾りを作っていただきました。
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NOB CRAFT Homemade Furnitureアトリエにて
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台座は新潟県産のかつては木炭などに活用されていたブナ材「スノービーチ」を使用。
一枚ずつ木目が異なります。
上の写真は仕上げ材を塗る前。
下は塗ったもの。
二回塗り、二回やすりをかけます。
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台座の切り込み挿し、カードの背もたれにするアクリル板を、側面を私たちがやすりがけしています。
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面取り
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大晦日もいろいろ作業があり、一部のメンバーが集まりましたが、それらを終えて、近くのこんぴら神社へ参拝に。
おみくじを引いたら、 Nさんは大吉、Iさんは中吉、Oさんは半凶でした。
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おめでたい大吉さんの掌に、おみくじのおまけの神さま人形。

それから、ご近所、鳥やすさんの絵が目に留まりました。
年末やお正月は、いろんなひとの絵と気持ちに接することができ嬉しいですね。
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12月20日に日暦を発売し、新年がはじまり、日暦を実際に使用する方の声が届いてきています。
いつからでも使い始めることができる万年カレンダーですが、特に一年のはじまりの節目は、自分用に、プレゼント用に、と喜ばれました。
みなさんのお手元の日暦がある景色を、これから追っていけたらとあらたなたのしみが増えました。
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12月になり、絵のある空間コーディネート「eto」のモニターをお願いしている「みるく歯科クリニック」さん(新潟市東区)へ絵の掛け替えに行って参りました。
井田英夫「母の水を飲むローレライ」宇野亜喜良「クリスマスのプレゼント」がバトンタッチ。
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待合室から見えていたこの絵を、最後、椅子に置いて記念撮影。
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クリスマスのあとに、また掛け替えへ。
(I)
→eto



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6月上旬、
とあるお宅を訪問しました
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2010年発表の作品
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「山の眼」
2016年「あお/あか」シリーズを発表時の1点
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「浦島太郎」
2013年「物語の中の主人公達2」(ギャラリ―枝香庵)に出品されていた作品。
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2012年の作品
みな、蓮池もも作品です。

今年発表の新作が、こちらのお宅のコレクションにさらに加わることになりました。
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「山の水」

どんな風に山の水が加わるのか、いつかまたご紹介できたら、と思います。(I)



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