2018年 04月 15日 ( 1 )

もう十年ほど前に、札幌の宮の森美術館で野村佐紀子さんの写真展を見て、ギャラリートークに足を運んだ。

砂丘館で働き始めた今年の1月、その野村さんが砂丘館で個展をやるかもしれないという知らせを聞き、とても驚いた。まさか、野村さんと写真が、向こうからやってきてくれるなんて!!!新潟に!砂丘館に!?


写真展のテーマとなった写真集「Sakiko Nomura: Ango」。坂口安吾が偉大な作家であることは知識としては知っていたが、こちらに来て間もなく、砂丘館界隈を大倉館長と歩いている時、ここが安吾の生家だったところだよと案内され、あまりの近さに驚いた。そして、安吾を愛する人たちが、ここにはたくさんいるのだということを知った。

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展覧会開催が決まり、「Sakiko Nomura: Ango」という、美しく、洗練されたデザイン、思わず「所有」したくなるこの写真集を見て、台湾の出版社、田園城市文化事業の陳さんと陳さんが作った本が頭に浮かんだ。なんだかそのことを伝えたくなり、久しぶりに陳さんに連絡してみた。そうしたら、「うちのギャラリーで町口兄弟、展覧会をやったことがあるよ。彼らの本は素晴らしいよね!」というまたしても驚きの返信が届いた。

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3月。展覧会のプレイベント、BOOKS f3で開かれたトークショーのあとに、町口さんにこのことを伝えたら、台湾に滞在したとき、ちょうどひまわり学生運動が行われていた時期で、陳さんのギャラリーで開催した町口さんのワークショップには、会場がすし詰め状態、たくさんの人が押し寄せた。ワークショップが終わり、サインが欲しいと町口さんの本をたくさん持って現れた学生たちは、クラウドファンディングを使って自分たちで制作した、ひまわり学生運動の写真集を持って来ていた。デザインはまだまだだけれど、その“思い”に感激し、町口さんからサインが欲しい、オレにその本をくれ!とお願いし、本をもらった。そしてその本が今でも町口さんの書棚に大切に置かれていると教えてもらった。

さらに、デザイナーだった町口さんのお父様は、横浜道路局から受けた仕事で牛腸茂雄さんと一緒に仕事をされていた。牛腸さんの写真集「SELF AND OTHERS」と佐藤真監督の「阿賀に生きる」。二つをテーマに大倉館長が論じた評論がきっかけで、佐藤真さんは牛腸さんのこの写真集と出会っている。

野村佐紀子写真展「Ango」新潟開催が決まり、特別展示する新潟での写真撮影のために、野村さんがやってきた。ほんの三日間の滞在で、見つめた瞬間から、目も心も奪われ、野村さんが射止め、永遠に定着させた世界に引き込まれてしまう多くの素晴らしい写真が生まれて、砂丘館に掛けられることとなった。

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思いがけないことはまだまだ続き、新潟での「Ango」展開催に当たり、特別に作られた屏風の中に収められたモデルの女性は、なんと砂丘館から徒歩1分のところに住んでいたことがあり、みその幼稚園に通っていたことがあるという。


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不是小!是同樣磁場的人不管到哪裡,總是有一些微的磁力互相吸繫著!」(世界が小さいじゃない!同じ磁場を持っている人たちはどこにいたって、微かな磁力で引きつけ合っているんだよ!)。そう、陳さんは言った。

砂丘館での野村佐紀子写真展「Ango」開催の話が出てから、目の前に繰り広げられる展開に、ただただ圧倒され、“思い”を形にすべく実現に動く人たちのエネルギーと情熱の波に、うおおおおおおおおおおとのまれながらそれをじっと眺めている、そんな日々だった。そして、それを見たい!やってよ!と貴重なお金を投じ、賛同してくださった方がいてこそ、開催できた展覧会。

ぜひ、多くの方に見てもらいたい。“思い”の塊が引き合って出会い、生み出したものに触れてほしい。こんな大人がいるよ!って、若い人たちに知ってほしい。

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“今回、「戦争と一人の女」について、いろいろ考えさせられました”と、

展示作業中に大倉館長が言った。

そうだった、なぜ、今、坂口安吾の「戦争と一人の女」[無削除版]が出版されたのだったか。野村さんが安吾の小説を読んで読んで読んで提示した、これらの写真たちは、どうして選ばれたのか。

これからひと月の間に、展示を見ながら考えてみたい。

安吾の故郷で、安吾と安吾の小説に掴まれた人が生み出したものを見ながら考えられるなんて、なんて贅沢なんだろう!!!

そして、大倉さんは、一体何を“考えさせられた”んだろう?(それは今後絵屋のブログで館長が書きます!)

もはや、巡回展の域を超えているような野村佐紀子写真展「Ango」新潟展。

今日、始まったばかりです。

砂丘館は朝9時から夜9時までの開館で、観覧無料です!

(あ)



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by niigata-eya | 2018-04-15 09:20 | 砂丘館