絵の姿勢
先月下旬に開催した三瓶初美展では、東京から来た作家が会期中ほとんど在廊して下さった。
三瓶さんにとって、
今回の個展は神戸のギャラリー島田に次いで3度目だということで、
初めて自分の絵を見にくる人たちの反応を、
自分で実際に見ていたいという気持ちもあったらしい。
絵はセツモードセミナーで、ずっと年下の学生たちと学んだ。
画家、というよりイラストレーター志望の学生が多かったが、みな真剣な姿勢で描いていた。
その学生たちから、絵に向かう姿勢の真剣さが足りないと叱られることもあった。
いい話だ。
今回は花を描いた水彩と完全な抽象をあわせて展示した。
三瓶さんの絵の、まだ混沌とした部分をもつ現在を示す内容といえるだろう。
作家としてのイメージはまだ不明確な部分があるけれど、
それは可能性ということでもある。
可能性が可能性から一歩踏み出すには、
姿勢が大事なのだと思う。
三瓶さんの、絵と、自分の個展に向かう姿勢の良さは
とても素晴らしかった。
姿勢のよさは絵の、個展会場の、空気にもはりつめていた。
次回の個展が楽しみだ。
(O)