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色のなかのいろ 形のなかのかたち

野中光正さんの個展も終盤にちかづいてきた。
新潟絵屋は10日まで。砂丘館は23日まで。

どちらの会場も、日本家屋の空間の“質”と、野中さんの絵の“質”が、ここちよく響きあっている。

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野中さんがいま制作の主体に置いている木版画の作品は、和紙と版を使って生まれる。

和紙は楮(こうぞ)という植物から、版は木から。
どちらの材料も、障子や柱を内包する木造家屋と同じ元から生まれる。

それゆえなのか、野中さんの作品と会場となった家は、まるで同じ腹から生まれた全く性格の違う兄弟のようで、とても似ているけれどもどこかが違う。
ぴったりではないけれど、合う。
というお話が、先日のギャラリートークであった。
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そんな性格の違いが時には齟齬やぶつかりをも見せる、家と作品という兄弟の同居(コラボレーション)を実現させたのが今回の展示というわけで、砂丘館での3日がかりの展示作業は、できあがりはごくシンプルながらも、これまでになく、頭を悩ませるものだった。
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野中さんの作品のなかにある、色や形や質感、その声を聴き、また、飾られる場となる家の声を聴く。
特に蔵は、それ自体が野中さんの作品となるような、作家性や絵の個性に相通じるような感覚を目指した。
試行錯誤の末、生まれた空間。
ご覧になったみなさんは、いかがだったでしょうか?

見れば見るほど、野中さんの絵には色の奥に色があり、形の中に形がある。
そして、それぞれの色や形の中に、紙(植物)や版(木)、そして絵具という“水”が作るさまざまな質感が宿る。

今回の展示でO氏とわたしが頭を悩ませ楽しんだ、それらをバランスすることを、野中さんはいつも感じながら、作品をつくっているのだろう。
ここちよく胸の中を揺らす心地に誘われ、いつまでも絵の前に佇んでいたくなる。
(小)

野中光正展
2014.2月20日(木)〜3月23日(日)
月休 9時〜21時
会場:砂丘館 ギャラリー(蔵)+一階全室
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by niigata-eya | 2014-03-07 16:59 | 砂丘館 | Comments(0)