十二


表紙用の写真は「華雪書展 日」(2010.11.3-7 於:F/style)で。
会期を終え「わたし」は絵屋へ。
それより前、「わたし」は「華雪 わたしふね」(2010.10.30-31 於:gm ten)の壁にいた。
華雪さんの元からgm tenへ、gm tenからF/styleさんへ、F/styleさんから絵屋へ、
そうして作品が渡ってきた。
十番目は「女」
十一番目「眠」
と辿り、「わたし」で連載は最終回を迎えた。

1月号 一 「貌」
2月号 二 「野」
3月号 三 「一帰何処」
4月号 四 「はなす」
5月号 五 「花放」
6月号 六 「劇」
7月号 七 「華」
8月号 八 「手」
9月号 九 「あい うえ お」
10月号 十 「女」
11月号 十一「眠」
12月号 十二「わたし」




月に一度字が届くこと。
字は道しるべのようで、歩きながらどこかへと向かっている感覚があった。
「わたし」という分厚く、白紙が多い一冊の本を想像する。
毎月字が届いた一年間、気がつくと、ひとつずつの作品の周辺にわたし自身のいろいろがくっついて、華雪さんの書いた字が記憶を索引する目次のようになっていった。
頁をひらくと出来事が具体的に、言葉にならないものが意味不明な、確かな痕跡として残っていった。
現在進行形で更新している。
連載の最後にわたしが見つけたのはそのようなものだった。
華雪さんからそれを手渡してもらった。
(I)

*作品は2010年12月末まで新潟絵屋のショップスペースほかで展示しています。
*その後2011年3月上旬に開催の華雪展にてふたたびお目見えします。
ご期待ください。