そらいろ
3月に見た空は、新潟のそれと似ていた。
たまたま厚い雲に覆われていたその日は、高良さんの絵から想像していた空とはずいぶん違っており、まるで新潟から雲も一緒に出かけたようだった。
そして、このたび。
空は青が濃く、日差しは肌を刺すようだった。
(コミュニティ真鶴にて)
(「海辺の途中」という名のお店でアイスコーヒーをのんだ。
窓からの展望)
高良さんのお宅では、大きな窓があるお部屋にユーカリの絵が掛かっていた。
窓越しにユーカリの木々が見えた。
高いところの幹は意外なほど揺れが大きく、それを眺めながら、見たばかりの壁の絵を思い出していた。
それから。
高良さんの画集を抱え新潟に帰り、ページをめくりながら、高良さんが見た空を想像している。
旅の記憶は、そらいろを手がかりにゆっくりわたしの中へ浸透してきている。
(I)