<   2016年 09月 ( 4 )   > この月の画像一覧

近くて、遠い。

向かいあっているのに、見えない。
となりあっていながら、隔てられたもの。
―「対岸」

そんなテーマで1年の準備期間を経て始まった阪田清子展(会場 砂丘館)も会期終盤。

ひとつぶずつ、阪田さんが手作業で積んでいった塩の結晶は、
日本海の海水から濾され煮詰められ、長い時間をかけて形となったもの。

その立方体が大事な手紙や金時鐘さんの詩の文字の上に置かれ、
意味から私たちを阻み、遠ざける。

e0138627_9501745.jpg

e0138627_952822.jpg

e0138627_9524713.jpg


涙の結晶?
海の記憶?
人間の体内には約100gの塩が存在し、体重の3分の2は水でできているという。
塩からどんなイメージが生まれるだろうか

e0138627_958986.jpg

e0138627_959168.jpg


――金時鐘さんの長編詩「新潟」は投瓶通信。
誰に届くかもか分からない手紙のようなもの。
もしかしたら、あるかどうかもわからない、未来の自分に宛てたものだったかもしれない。
対岸の新潟で、漂着物のように、阪田さんはそれを受け取った。

その文字の上に塩の結晶を置くとは…海に還そうとでもしているんでしょうか?…――

金時鐘の「新潟」を新潟で読むセミナー第1回の講師として来られた
細見和之さんは、そんな風に語られた。

e0138627_100535.jpg

e0138627_1024221.jpg


阪田さんの作品にあるその粒を見ようとすると、
自然と身をかがめることになる。
その先にある文字(意味)を見ようと塩の粒とおなじ目線に近づくと、自分の意識はどんどん小さく無になる。

小さくなった身体で何かを見ようとすること、向き合うこと、
見えないことをあきらめず、知ろうとすること、
ひとつぶずつの文字を読むように、塩の結晶を置くように、他者へと近づいてゆく…
そんな姿勢こそが、阪田さんが今回示したかったことなのかもしれない、とその姿勢になってみて初めて気づいた。

e0138627_9534583.jpg


隔たれても、見えなくなっても、
その意味があなたのこころに残るなら

そして、よもや燃やされたとしても、
本当の詩は消えない。
誰かがそう言っていた。

阪田さんの往復書簡もまた、誰かへと届いたことだろう。

(小)

阪田清子展 対岸―循環する風景
開催中~10月2日(日)まで 9時~21時
休館日:月曜日(9/19は開館)、9/20・23
[PR]
麻績勝広展
石、石。石。
e0138627_18093577.jpg
e0138627_18071260.jpg
e0138627_18085711.jpg

e0138627_18082855.jpg
e0138627_18065132.jpg
e0138627_18073595.jpg
上「母の漬物石」

e0138627_18371562.jpg
e0138627_18100272.jpg
糸魚川で作られている石のパンフレット。
麻績さんがお持ちくださいました。
9/24.25は作家が在廊予定です。

石がそのかたちをして、麻績さんに出会い、描かれ、絵の石となって目の前にあるのがなんてことないような、奇蹟のような。
(I)




[PR]
by niigata-eya | 2016-09-23 18:47 | 今月の土壁
9/12-20

e0138627_18311162.jpg
e0138627_18323136.jpg
18点作品。
タイトルはすべて「胎動」。
新しいものがうごき始める様、動きが表面化し始めること、という意味から来ています。

2016年
油彩/麻布・板
e0138627_18325443.jpg
e0138627_18332570.jpg
e0138627_18334785.jpg
e0138627_18341497.jpg

十五夜の今日、閉店しようと店を出たら、空には、まあるく月が金色に輝いていました。
カルベさんが書いた看板の「月」が、ふと目にとまりました。
e0138627_18523281.jpg
e0138627_18533128.jpg
e0138627_18535873.jpg

作家は、最終日の9/20まで毎日絵屋に在廊です。
(I)












[PR]
by niigata-eya | 2016-09-15 18:56 | 今月の土壁
9/2-10
e0138627_12423996.jpg

e0138627_1243828.jpg

e0138627_12432771.jpg

e0138627_12435998.jpg

e0138627_12443952.jpg

作品が空気を変えます。

今回はガラス絵です。
が、ガラス絵作家ということではありません。
中島世津子 ホームページ
ガラスだけでなく、紙やキャンバスに鉛筆や筆で描くことも。
素描集がありますので、ぜひそちらもご覧いただきたいところ。
初日の昨日は、企画した大倉がしあわせそうに会場の写真を撮っていました。

猫背なわたしの背筋が不思議と伸びてきました。
顔も変わるかもしれない。
そんな力を感じさせる作品です。
(I)
[PR]
by niigata-eya | 2016-09-03 12:52 | 今月の土壁