2017.2②佐佐木實展「イ充つ二」

2/18-28
「イ充つ」は続いていた!
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「イ」
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上「イ合の衆」
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2015年4月の個展 佐佐木實展「イ充つ」
以来、シリーズは続き、今回に至ったのでした。

2/18初日には、ギャラリートークを行いました。
写真:中央が佐佐木さん
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フランス人言語学者Eric Cattelain 主宰のウェブサイト Pantopie にLes Mots de Minoru S. (佐佐木實語録) が掲載されています。佐佐木さんは自身の制作や生きることにかかわる20のフランス語の単語を選び、その単語から連想を広げた自問自答をされています。
ここではその中の4語「écriture」「inspiration」「voix」「langue」を佐佐木さん自身が日本語訳したものをご紹介します。

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ÉCRITURE 文字
文字 ― この道具の御陰で我々は思考や感情を分析的に扱うことができる。我々はその有用性、その魅力に依存し、囚われてしまっている。時々文字無しで過ごしたり、文字から逸れて彷徨ったりしてみるといいと思う。
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INSPIRATION インスピレーション
何かに着手するときは、自分自身の内なる声に耳を傾けることから始めるべきだ。何かを参考にする前に自分の頭に直感的に浮かぶことを知っておくことは極めて重要だ。一番最初のインスピレーションは「何を欲しているか」を反映している。それは自由な、自分個人の着想だ。そこから手始めの試行に移るのだ。初めから前例に倣うような安易さに走ってはいけない。
最初のアプローチは世に通用しているものとはかけ離れたものになるかもしれない。それはなにより。専門家の中にはそれを突飛で奇妙なもの、根拠のないものと言う人もいるかもしれない。そんなの大したことじゃない。自分の感性のみが感知しえる命題を掘りさげていく最も素晴らしい機会を葬り去ってしまうとしたら、本当にもったいのないことだ。世に受け入れられた考え方を永続させるために我々はいるのではない。
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VOIX 声
私の声は私にとってずっと「よそもの」だった。一度も仲良くなったことがない。加えて、私は言いたいことを即座に言葉にまとめることが得意ではなかった。とりわけ口頭で言葉にするのは苦手だった。その結果「口頭で言葉で自己表現すること」がずっと嫌いだった。声の代わりにテレパシーで意思疎通する世界を夢みたことさえある。
幼い頃、書、バレエ、ヴァイオリンを学んだ。これらはみな「口頭で言葉で自己表現する」のとは違うかたちで自己を表出することを可能にしてくれていた。この経験を通して、私は自分の中の「気」に敏感になった。気は声同様に力動する(声と同様に息に関わっている)。その反面、音を発することなく、無言だ。おそらく気は声よりすばしこく、深い。
この「無言の気」に気づいて以来、私は自分の藝術表現における ― 今日私が制作しているドローイングの場合でも ― その存在と重要性を意識している(中心主題であったことはないかもしれないが)。言語とは違って、気は細かく分節化されていない。そのため考えを練り上げるのには役に立たない。しかし、その自然な自発性は作品に決定的な一撃を与えてくれる。
私にとって、この「無言の気」を「声」を通して発現することは容易ではない。できることもあるが、稀だ。両者は一致しない。前者は私により近いところにあり、より上手く働いてくれるのは私が黙っている時だ。
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LANGUE 言語
言語は意味を生成するのに便利な道具である。しかし意味ばかり追い求めていては息が詰まる。意味は本質的に脳の仕事だ。脳から出よ。カラダの活気に助けを求めよ。言葉がカラダを通過するようにしよう。器官を通過するようにしよう。歌にしよう。演劇にしてしまおう。声の力動で、身振りで、意味をかき混ぜるのだ。言葉を書き記す時には、奇天烈なグラフィックで意味を揺さぶろう。全てやってみよう。さもなければ、意味の重さに押しつぶされてしまうかもしれないから。


佐佐木さんは、いまは「イ充つ」の時代です。
それ以前について、ご興味がある方は、次のページを開いてみて下さい。
佐佐木實ウェブサイト

さらにご興味がある方はこちらへ…
2011年4月 新潟絵屋での個展
2011年4-5月 砂丘館での特別展示
2011年11月 北書店
2014年2月 新潟絵屋での個展
2015年4月 新潟絵屋での個展

これからも、たのしみです。(I)



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by niigata-eya | 2017-02-24 20:00 | 今月の土壁