小木曽瑞枝展

作品の題名はHomonym
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日本語にすると同音異義語。

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はしとはし(橋と箸)、さけとさけ(酒と鮭)…と、次々と訪れるお客さんに小木曽さんが丁寧に説明している。
左右対称の形は、どちらから見ても同じ。塗られた色も同じブルー。けれど、厚みのある形の側面に塗られたストライプの色の順番が違っているせいで、同じ青が微妙にちがって見える。
「さけとさけ」が微妙なアクセントの違いで意味がすっかり変わるように。

一見気ままに作られているように見える小木曽さんの造形のうらには、実は、このようにひとつ一つ考え抜かれた「思考」がある。パブリックアートは、公共の場所に置かれる造形(アート)だが、公共という場所は、じつはさまざまな言葉(説明)を求められる場所だ。しっかり考えられ、しっかり説明されることが、とても大事になる。
小木曽さんが日本全国で病院などのパブリックアートを手掛けてきたのも、なるほどと思わせられた。

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とはいえ、小木曽さんの作る形と色には、説明だけにおさまりきらない不思議な魅力がある。
木や花やなにかの自然物のようであって、ちがうもののようでもあり、
明快な色も、鮮やかや派手というのとちがう。見ていてあきない。
たくさんの微妙が仕込まれている。

しっかりした「思考」あることと、思考を説明する言葉だけでは汲みきれない内容があること。
この2つが、アートがパブリックスペースにつながっていくときの条件だろう。

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いろんな色の、質感の壁があり、自然光も格子の裾から入ってくる絵屋の展示室も、
閉鎖的な白い箱(ホワイトキューブ)の画廊に比べると、パブリックなーーつまり「雑然」をあれこれ抱え込んだスペースに近いところがある。

戸外の天気や光の入り具合で、作品の置かれた部屋の空気も、作品の見え方も違ってくる。
そうした、環境の変化と対話する力もまた、
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もう1つの条件であるかも知れない。

…と、思った。
(O)

2015年4月12日〜20日 
新潟絵屋
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by niigata-eya | 2015-04-19 18:23 | みるものとよいところ | Comments(0)