人生の覚悟 【児玉晃の自画像展】
もしくは、おじいさんとはかっこいいものなのかもしれない。
という気持ちに目覚めた。
バスの窓から若い男子を見つけて、わぁ〜かっこいい!!☆☆などと思うことはまるでなく、
かっこいいおじいさんを見つけてときめいているとは、これはいったいどうしたことか。
年をとったからなのか、
単にちまたにかっこいいおじいさんが増えているからなのか、
おととし、おじいさんの死にざまをみたせいなのか、
自分でもわからない。
ひとつ言えるのはこちら、
「児玉晃の自画像展」に出合ったから。
「老・病・死」に向き合いつつリアリズムの観察眼と手法で描かれた絵から
みなぎるのは生きていることのエネルギー。
死が近くなるとき、生もまた際立つ。
自分の生をまっとうするとは、尊く、おそろしく困難で、勇気のいるものだ。
あらゆる体験を乗り越えてきたことの気骨。
と、ユーモア。
年をとってもかっこよくなれない人は、人生への覚悟が足りないのかもしれない。
ひとつの選択肢としては仕方ないものだけれど
(と言い訳している時点でもはや自分の考えとは違うのだけれど、)
自殺なんてかっこわるいと言える世の中に、はやくなってほしいものだ。
(小)
「50人のわたし 児玉晃の自画像展」
2014.10月9日(木)〜11月9日(日)
9時〜21時 休館日:月曜日(ただし10/13・11/3は開館)、10/14、11/4
会場:砂丘館 一階全室+ギャラリー(蔵)
観覧無料
★10/26(土)14時〜 ギャラリートーク「児玉晃と自画像の思い出」
晩年、児玉の自画像制作のための写真撮影にも協力してこられた妻・美子さんをお迎えし、思い出や製作などについてお話を伺います。参加費500円。
★作品撮影から編集までを砂丘館で手がけた遺作画集「50人のわたし 児玉晃の自画像」が刊行されました!
企画展と合わせて必見の内容です!!
会場でぜひお手に取ってご覧ください。
新潟絵屋にて通信販売もお受けしています。