潟から浦へ(佐藤清三郎と川北英司)・2

「『洲之内徹と現代画廊』と2人の画家」展、後期は茨城県龍ケ崎市に生まれ、霞ヶ浦や利根川の風景を描いた画家・川北英司。
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佐藤清三郎も川北英司も生まれ故郷に住み、その地を描き続けたという点で共通している。
1歳違いの2人の画家は、けれど、33歳で戦病死した佐藤清三郎に対し、川北英司は20代後半に結核療養のため画業を断念。
全く絵を描かない30年の後、50代後半になって制作を再開し、洲之内徹に出会い認められるという対照的な人生を送っている。
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今回の展示でもう一つ、ふたりの画家を結ぶもの。
それが、洲之内徹が気にかけ、エッセイの題材ともしていた新潟郊外の潟(湿地)と利根川流域の内水面交通のこと。
(詳しくはDM内O氏の文章を参照→

水路や水辺、ゆたかな水に恵まれていた日本の、新興住宅街へと改造される以前の今はもうない自然の姿。
その貴重な記録としても特別ふたりの画家の絵は、実直に対象を見続けたまなざしの深さと郷土への慈愛のようなあたたかさを持っている。

絵とともに飾られた洲之内徹の文章を読み返してみれば、そのような、一枚の絵から描いた画家また画家の住む土地へと拡がる尽きせぬ深い興味と共感が語られる。
ただ自分の「眼」というものを頼りに、絵を見、ものを考える。
自分の視点に自信が持てず、周りの意見に惑わされそうな時、ひとの評価や名声でなしにただただ見つめ向き合い感じ入ることの大切さを、胸がしびれるような文章で説く洲之内さんは、はなはだすごい人だと、やっぱり思う。

ガイドの手を借り、少し遠くから眺めた川北英司の絵は、ほんとうに銀色の光を放って輝き揺れていた。
(小)
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「洲之内徹と現代画廊」と2人の画家
【後期】川北英司展

2014年5月14日(水)〜6月8日(日) 
9:00〜21:00 観覧無料 休館日:月曜日
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by niigata-eya | 2014-05-29 19:34 | 砂丘館